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70年代前半に早稲田で吹き荒れた内ゲバ
死活問題だった学生自治会の支配権
実体験に基づいた核マル派との対決

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『彼は早稲田で死んだ』 樋田毅(文藝春秋1,980円)

 本書は70年代前半に早稲田で吹き荒れた内ゲバを、体験をもとに描いたルポである。

 評者が早稲田に入学した67年は学費値上げ闘争が終息し学生会館の管理をめぐる闘争が行われていたが大して盛り上がらずに終わった。この頃はまだ民生も社青同も核マルも普通に教室でオルグをしていた。

 しかし、68年ごろからヘルメットに手拭の覆面、手には角材で本格的に機動隊とぶつかるようになっていった。暴力への耐性が出来たのか、内ゲバも激しくなり、手にするのは角材ではなく鉄パイプで襲撃、拉致監禁してリンチ、が常態化する。

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