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世界の進化VS日本の停滞 ガラパゴス化が携帯だけではない理由

ガラパゴス島の多様な生物が
ダーウインに「進化論」をもたらす

 いわゆる「ガラケー」は、最近すっかり見かけなくなった。根強い支持者も高齢者を中心に存在するが、もはや絶滅危惧種と言ってよい。

 知らない世代も増えているので説明しておくと、ガラケーとは「ガラパゴス携帯電話」の略である。いまではスマホにほぼ取って代わられているが、スマホではない折りたためる「普通のケータイ」が2010年ごろまでにはたくさん使われていた(図参照)。

 ガラケーの通信回線は第3世代の高速通信システムの3Gである。現在のスマホほどではないが、メール、着うた、着メロ、ワンセグ、おサイフ携帯、絵文字、写メ、GPSの地図、電子ブック、ゲームなど多くの機能を装備していた。筆者の佐川も、つい最近まで愛用していたのはワンセグで囲碁のテレビ番組が見られたからだ。

 ただし、これらの多様な機能は日本独自のものだった。「独自」というと何やら褒め言葉のようだが、世界標準を無視して独自の進化を遂げた3Gガラケーは珍種だったのだ。それが「ガラパゴス」と呼ばれた由来である。

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