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マイナ保険証VS紙の保険証 ミスよりも説明不足が懸念される


なぜ紙の保険証を止めるのか?
懇切丁寧な説明が求められる

 マイナンバーカードをめぐってはさまざまなトラブルが起こっているが、中でもマイナ保険証は大きな問題として受け止められている。

 例えば別人の情報が登録されてしまったケースがたくさん報告されており、そのために患者の取り違えが起きたりすれば生命に関わるような重大なトラブルに発展する危険もある。

 健康保険証データのマイナカードへのひも付けなどにミスが次々に発覚し、その度にマスコミは河野太郎デジタル大臣の失態だとか「辞任か?」などと大騒ぎしている。むろん政府の間違いはきちんと報道すべきだが、マスコミは騒々しいだけで問題の本質を取り違えている。

 ミスは大量のデータ処理を伴う事務手続きの上では起こるべくして起こる。起こりうるミスの予測とその処理が重要である。その点で事務作業全体に対する認識不足とスキル不足は確かに問題だが、それ以上に、ひも付けの意義の説明不足の構造こそが本質的な大問題だと筆者らは考えている。

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