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【スカイツリーの運営会社を持つ】「ポスト根津家」の都筑新社長が登場 らしからぬ展開をするのか『東武鉄道』

結びつかない「スカイツリー」と地味
だが陸運輸送業者のトップナンバー

 いきなり東武鉄道と言われても、関東出身者や居住者以外には影の薄い存在であろうと想像する。東京の浅草と池袋を起点に埼玉、千葉、栃木、群馬の1都4県に約460kmに及ぶ路線を有し、純民間資本で作られた鉄道企業としては、近畿日本鉄道に次いで国内第2位の規模を誇る。歴史的にも創立は1897(明治30)年にまで遡り、国内の大手民鉄の中では最も古い。それらの証に、証券コードは陸運業種のトップナンバーである9001を擁している。

 しかしながら同社は、営業エリアの多くが下町や北関東ということから地味な印象が拭えず、沿線のブランドイメージも同業他社の後塵を拝しているというのが実情だ。ドバイの「ブルジュ・ハリファ」、マレーシアの「ムルデカ118」に続く世界第3位の高さの建築物「東京スカイツリー」の運営会社をグループ内に持つということも、開業から10余年が過ぎているというのに余り知られていない。

 必然、毎年6月に開かれている東武鉄道の定時株主総会も、これまではほとんど注目されることがなかった。だが、今年ばかりは例外となった。

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