世界が食料安全保障を強化する中
日本では高い、高いと愚痴るだけ

　ウクライナ戦争が一層長期化の様相を呈する中で、世界の小麦需給がひっ迫、「食料危機」が現実化しつつある。世界有数の小麦輸出国であるウクライナからの供給が大幅に減少する一方、インドやフランスが輸出抑制に動いたことが、事態を一段と厳しくしている。特に深刻な影響を受けているアフリカ連合（AU）が国際的な取り組みを強めるよう、積極的な外交に動いている。“戦争当事国”であるロシアもウクライナからの輸出ルート確保の重要性に言及、ルーマニア経由の海上代替輸出ルート案も浮上している。