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【肌着だけではなかった】グンゼはみんなが知らない多角展開する会社 派手さばかりがいい会社じゃない


あの肌着のグンゼがそんなビジネスを!?
ユニークさは事業の多角化だけではない

 東京駅からも程近い日本橋茅場町に「重工業研究会」(通称、重工クラブ)と名乗る記者クラブがある。所属する大手新聞社やテレビ各局の記者に向け、各種の便宜を図っているのは日本製鉄などが会員に名を連ねる日本鉄鋼連盟だ。「鉄は国家なり」と呼ばれた頃の余裕はさすがにこの業界団体にもないものの、長年の慣習から、鉄鋼メーカーの軒下を借りるかたちで化学メーカーや医薬品、繊維、日用品各社が報道資料を配布したり、会見を開いたりしている。

 とかく閉鎖的で既得権益の象徴と批判も多い記者クラブ制度の是非は本稿では論じないが、重工クラブは経済系の記者クラブとしては最も幅広い担当業界を持つだけに、記者の方も概ね、産業界の動向や構造に明るいとされる。ところが、そんな彼らにとっても意外性の多い“びっくり箱”のような会社の1つがグンゼとされる。「えっ、あの肌着のグンゼがそんなビジネスを…」。小さなサプライズには事欠かないのだそうだ。

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