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アメリカ一極集中の終焉と日本


[1950~1970年のアメリカの繁栄]

 岸田政権が突き進む日本のアメリカ属国化。しかし、産業史を振り返っても日本の歩みはアメリカと同一歩調を取って来た。アメリカの呪縛から逃れ、真の独立国家を目指すのは無理なのか…。

 アメリカは勝利した第二次世界大戦後、その軍事産業を平和産業に転用し、多くの産業を興した。終戦直後のアメリカのGDPは世界の40%以上を占め「世界の覇権国」の座を確立した。アメリカの産業は、1950年から1970年の間に、イノベーションを起こしてアメリカ経済社会を繁栄させた。

 ヘンリー・フォードは、1914年にT型フォードを開発し、当時としては破格の1日5ドルという賃金を支払い、「賃金が高ければ、労働者は良い消費者になり、T型フォードを買えるようになり、会社は繁栄する」と言い、GEの福利厚生担当役員アール・ウィリスは「雇用を最大限に安定させるのが会社の第一目標。合理的な見込みで自分の将来の経済を立案できる従業員こそ、雇用主にとって最も生産的な資産」と言った。

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