高度化するカンニング 考えさせる問題を出さない大学も悪い

「オンラインカンニング」が登場
ネット社会の大きな落とし穴

 試験会場で問題用紙をスマートフォンで撮影し外へ送信。協力するシステムエンジニアを中継役にして編集し、事情を知らない東大生らに解かせて答えを送らせる。

 1月、大学入学共通テストの会場で、19歳の女子大学生がやってのけた新手の「オンラインカンニング」は、文部科学省の顔色を失わせた。ネットの悪用は2011年2月に京都大学入試をはじめ4大学で発覚し、教育界のみならず騒ぎになった。直後に「3・11」東日本大震災が起きて、本格的な対策の論議は遠のいた観があった。

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