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【おじいさんでも知っているマリオが再び】昔は花札の会社が語り草も今はマリオの会社に 驚異的な「復元力」で難局を乗り越える任天堂


ジャパニーズ・ビジネスマンに代わる
外貨獲得の立役者となったマリオ

 俳優・時任三郎扮する熱血武者が、栄養ドリンク剤のCMとして「24時間戦えますか」のフレーズとともに歌った「勇気のしるし」(1989年)。歌詞の中では、アタッシュケース片手に北京・モスクワ・パリ・ニューヨークを舞台として「はるか世界で戦えますか」と問い掛け、当時のジャパニーズ・ビジネスマンの猛烈な仕事ぶりをコミカルに描写した。

 破竹の経済成長に危機感を抱いた欧米諸国が第2の黄禍論に近いジャパン・バッシング(日本叩き)に走ったのもこの頃だが、残念哉、それも歴史の1ページへと過ぎ去り、国力の衰えともにジャパン・パッシング(日本素通り)からジャパン・ナッシング(日本無関心)へとずるずると移行してしまった。実際、新型コロナが感染症法上の「5類」へと変わり、出入国の制限がなくなっても、モスクワは論外として、円安もあって、北京やパリ、ニューヨークの空港で日本人の姿を見ることが珍しくなっている。

 その代わり、と言っては何だが、日本発の、とある架空のキャラクターが今年の春から夏にかけて全世界を闊歩し、一部から熱烈な支持を集めた。

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