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今度のインフレは徹底的につぶすべきだが、高金利は続き、その行く末は……


年末までに政策金利は5.75%?
それで済むのか、済んでも長期化か

 昨年3月以来、10会合連続で政策金利を引き上げ、6月半ばの会合で利上げを一休みした米連邦準備制度理事会(FRB)。しかし6月下旬の下院議会証言で、パウエルFRB議長が「経済が予想通り推移すれば年内にあと2回の利上げは良い推測だ」と発言した通り、7月25・26日の政策会合でFRBはさらに0.25ポイントの利上げに踏み切り、政策金利の誘導目標上限を5.5%となるのはほぼ確実だ。パウエル議長の証言通りなら、年末までに政策金利は5.75%となるが、専門家の一部では、それ以上に政策金利が引き上げられたり、少なくとも高金利状態が市場予想より長く継続するとの見方が出ている。

 そう強く主張するのが、国際通貨基金(IMF)のチーフ・エコノミストから今年1月に筆頭副専務理事に就任したギータ・ゴピナートだ。2019年にハーバード大学経済学部教授からIMFにチーフエコノミストとして招聘され、当初は2022年に大学へ戻る契約だったが、その鋭いマクロ経済分析と国際金融への造詣が買われ、筆頭副専務理事としてIMFの実務を取り仕切る総元締めとなった。

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