見出し画像

戦争とインフレで似た金融環境 1970年代の「失敗」から学ぶ教訓


ウクライナと中東の二重ショック
中東情勢次第で原油暴騰懸念

 パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織「ハマス」によるイスラエル侵攻(10月7日)とその後の戦闘拡大により、世界経済の先行きは一段と不透明感を増している。

 世界銀行は10月30日に発表した商品市場見通しの中で、イスラエルとハマスの戦闘が激化し、1973年の第4次中東戦争で産油国が禁輸を行った第1次石油危機のような「大規模な混乱」が起きた場合、原油価格は最大で75%上昇(1バレル=157ドルまで上昇)するとの試算を示した。

ここから先は

2,413字
この記事のみ ¥ 200