安倍元首相をインドはどう見ていたか 15年前の「2つの転機」

南アジアの指導者暗殺、日本でもとは・・

 南アジアの現代史を紐解くと、重要な指導者が凶弾に倒れ、それによって政治の潮目が変わるということがしばしば発生する。インドでは、独立翌年の1948年に建国の父、マハートマ・ガンディーがヒンドゥー過激派の青年に暗殺されるという痛ましい事件が発生した。84年には、インディラ・ガンディー首相が自らの護衛に撃たれて命を落とした。

 息子のラジーヴ・ガンディーが後継首相となったが、89年の総選挙で敗北を喫してしまう。91年の総選挙で捲土重来を期すも、総裁を務めるインド国民会議派の支持はいまひとつだった。

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