見出し画像

裁断クズを炭化技術でアップサイクル「服の鉛筆」を繊維企業が生み出した―ミヤモリ―


黒度が高いとアーティストに支持
廃棄物に新たな価値を与える

 かつて日本経済が世界でNo.1だとかNo.2だとかいうことが話題になっていた当時には、環境というテーマを追究する企業は少なかった。多くの企業にとって環境対策はコストを食うだけの存在でしかなく、環境問題に真摯に取り組む日本企業などは珍しい存在だった。

 しかし世界の潮流が変わったことに、さすがの日本企業も触発されたようだ。いまや環境貢献は大きなビジネス・テーマになった。長期経営方針などにおいて環境について言及しない企業が珍しいほど、いまや企業にとって必須の課題へと変化している。特に若い働き手が減少する一方の日本にとって、次の時代を担う世代に対する配慮のバロメーターとして企業の環境貢献への姿勢が注目されるようにもなっている。

 そうした中で「服の鉛筆」(写真1)という製品が注目を集めている。「服からつくられた鉛筆」を意味する、この「服の鉛筆」をつくったのは文具メーカーではなく、縫製を専門とする会社である。

ここから先は

4,596字 / 7画像
この記事のみ ¥ 200