70年以上も戦い続ける ミャンマーの少数民族武装勢力

全土を直接統治したことがない連邦政府

 ミャンマー国民の約7割はビルマ族が占めるが、残る約3割は135もの少数民族で、計20ほどの武装勢力が活動している。NLD(国民民主連盟)政権が目指した民族和解が進まなかった理由について、アウンサンスーチー党首は「複雑な国だから」と弁解したものだ。1948年1月4日にミャンマー(旧ビルマ)が英国から独立した頃から、カレン民族同盟(KNU)やカチン民族解放軍(KIA)は、分離独立を目指して70年以上に及ぶ世界でも最長の戦いを続けている。ミャンマーにはKNUやKIAなどの武装勢力による実効支配地域が多く存在し、連邦政府と停戦した少数民族武装勢力による自治区もある。

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