米国制作だった「日本外交の金字塔」

ライシャワーの危機感

 この連載が始まって1年が経つ。当初は沖縄にまつわる歴史や文化、特に本土ではあまり知られていない出来事や人物にスポットを当てて、観光と基地だけでない沖縄の奥深さを紹介しようと思っていた。ところがふとしたことで来年5月が返還からちょうど50年であることを思い立ち、近年公開された外交文書や古文書を渉猟しているうちに私の中の“常識”や世間の通説を覆すようなことがわんさか出てきた。不知の事実だけなら「そうか、そんなこともあったのか」で済むが、返還交渉にまつわる秘史は、それがそのまま今日の日米関係に直結していることが面白く、この半年ばかりそうした外交史料と首っ引きになっている。

 読者諸氏には申し訳ないが、今しばらく返還交渉の裏面史にお付き合い願いたい。

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