50年ぶりの低水準に沈んだ円の実力「ニッポン売り」は加速する

世界の「最弱通貨」に転落した円
購買力はニクソンショック直後並み

 「円安」が話題だ。今年年初から3月初旬まで1ドル115円前後で推移していたが、その後一気に円安に振れ、4月20日には129円台に乗せた。直近の円高ピークだった昨年初めは102円台だった。そこから26%の円安。円は昨年来、ユーロやポンドなどに対しても下落基調にあり、「最弱通貨」の様相である。

 同時に、実質実効為替レートで見た円が50年ぶりの安値圏にあることだ(グラフ参照)。実質実効為替レートとは、「実質」つまり海外諸国とのインフレの差を加味し、「実効」つまり各通貨建ての貿易量のウエートを加味した指数で、総合的な通貨の実力を表す。

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