中国からのワクチン供与も拒否 金正恩が直面する空前絶後の”瀬戸際”

中国製ワクチンなんていらない
北が中国の協力を拒むわけ

 さる6月、北朝鮮の金正恩総書記は、コロナウイルスに対する防疫措置の不備を理由に、側近の軍最高幹部2人を党政治局拡大会議で𠮟責し、降格処分としたことは既にレポートした。その後、金総書記からはそれまで強調してきた「わが共和国にコロナ感染者はいまだにない」との発言はなくなり、「コロナとの闘いは戦争であることを強く自覚せよ」「感染対策に主導的役割を担う者達に、一瞬の放心も許されない」等の激烈な指示は、コロナ禍に直面していることを示す。

 「段階的に再開すると見られた中朝交易も、再びストップした」と複数の中朝消息筋は言う。中国政府はそんな北の異変を察し、「コロナウイルス感染に対し、いかなる協力、援助も行う」と北側に伝えている。北が国際機関等からアストラゼネカ製やロシア製のスプートニクスワクチンの供与の申し入れを断ったのを踏まえ、夏には、中国製ワクチン「シノバック」の供与を公式に提案した。中朝外交筋によれば、「中国製ワクチンが完成直後に、習近平主席が外交ルートを通じ、金総書記に効能をアピールし、いつでも提供するとの意思を伝えていた」という。

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