原発汚染水海洋放出決定、存亡の危機「福島」 一体、政府は「食」をどこまで毀損する気か🐟

🔹「カーボンニュートラル」を口実に
  本格的な原発再稼働へひた走る菅政権

 新型コロナウイルス感染が一層深刻化する中、政府は4月13日、東京電力福島第一発電所に貯まり続ける放射性物質トリチウムなどを含む汚染処理水を、福島沖の太平洋に海洋放出する計画を承認した。約2年後に実施する計画だが、漁業関係者との約束を反故にした強行決定に、「福島だけでなく、多くの漁業者、国民を切り捨てるもので絶対反対」という反発が高まる。しかし、地球温暖化対策「2050年カーボンニュートラル」を口実に、本格的な原発再稼働へとひた走るのが菅政権の本性だ。

 福島第一原発では、爆発事故で溶け落ちた核燃料(デプリ)が残る原子炉建屋に雨水や地下水が流れ込むことで大量の汚染水が増え続けている。東電は、多核種除去設備(ALPS)では処理できないトリチウムなどの放射性物質を含む汚染処理水を、原発敷地内の大型タンクで保管してきた。しかし、その量は増え続け、約125万立方メートル、タンクの数は1000基を超えるまでに至っている。

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