クリケットW杯で噴出した インドの反パキスタン感情

誰もが等しく「インド人」になれるクリケット

 南アジアで人気のスポーツと言えば、何を置いてもまずはクリケットだ。日本では馴染みがないが、英国発祥の球技で、野球と似ている。2チームが攻守に分かれ、ピッチャーに相当する「ボウラー」がボールを投げ、バッターに相当する「バッツマン」がそれを打つという具合だ。英国の海外進出に伴ってインドをはじめ世界各地の植民地に広がっていき、現在の競技人口は3億人超。国際クリケット評議会(ICC)は、2028年のロサンゼルス五輪での採用を目指しているという。なお、元々クリケットは時間がかかるスポーツで、数日を要することもあるほどだ。しかし、それではテレビ中継や大規模な観戦には適さないということで、1試合2時間半程度で決着がつく「トゥエンティ20」という方式が導入され、これが主流となっている。

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