海外巨人と比べれば小粒だが 利益率では遜色ないテルモ

体温計からスタートし100周年

 テルモは、体温計の国産化を目的として1921年に設立された。現社名は体温計のドイツ語「テルモメーテル」に由来する。今日では、医療機器の大手メーカーとして、幅広い領域の製品・サービスを提供しているが、医療機器を診断機器と治療機器に分けると、テルモは治療機器メーカーに位置づけられる。

 現在、事業は3つの部門に分けられる。第1は、心臓血管部門。カテーテルシステム、脳血管内治療関連、人工心肺システム、心臓血管外科手術関連等である。この部門がテルモ全体の売上げや利益の半分以上を占める。特に心臓領域のカテーテルに強みがあり、世界トップシェア製品もある。ただ、この分野は海外の大手企業との競争が激しい。

 第2は、ホスピタル部門。医療現場や家庭で用いられる医療機器や医薬品類として、輸液ポンプ、腹膜透析関連製品、糖尿病関連製品などを日本国内中心に提供している。また、製薬会社向けに開発製造を受託している。

 第3は血液・細胞テクノロジー部門で、輸血関連製品、細胞治療関連製品等を手掛ける。

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