【2022決算特集】果たして期待に十分応えているか 投資家みんなの“時価総額トップ5”の素顔

10年前の時価総額と比べると

 2022年5月末の日本企業の株式時価総額のトップ5は、トヨタ自動車、ソニーグループ、NTT、キーエンス、KDDIの5社である(図表1)。

 トップのトヨタの時価総額は他社を引き離し、2倍~3倍と圧倒的に大きい。確かに、22年3月期のトヨタの売上や営業利益、純利益は、いずれも日本企業のトップであり、時価総額2位以下の各社との間には、かなり大きな差が存在するダントツの規模だ。

 一方、第4位のキーエンスの売上規模は他社に比べると1ケタ小さい印象だ。純利益も中では最も少額だが、売上規模の割に極めて高い利益をあげている。

 5社それぞれの時価総額を10年前(12年3月末)と比べてみよう。この10年間、日経平均は2.7倍に上昇した。トヨタとNTTの時価総額は平均並みの成長だ。KDDIがそれをいくらか上回り、ソニーGとキーエンスの時価総額はおおきく上回る。ソニーGの急速な業績回復、キーエンスの圧倒的な利益率の継続が反映されている。それでは「投資家みんなのトップ5」を見ていこう。

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