感染抑制の優等生の「コロナ鎖国」 自由な往来が可能になる日はいつになるのか 政府

感染抑制に成功したが故に
おいそれと国境を開けるわけにはいかない

 オーストラリアが国境を事実上閉鎖してから、早1年が過ぎた。少なくともさらに3ヵ月、6月17日までの延長が決まっている。新型コロナウイルス対策の緊急措置として「コロナ鎖国」が始まった時、それが15ヵ月間に及ぶなんて、いったい誰が想像しただろうか?移民大国だけに、聞こえてくるのは、「海外にいる家族が無事でありますように」という切なる願いだ。

 国際法上では、「公衆衛生上の緊急事態」における人権の制限は、一定の条件の下で許されている。とはいえ、民主主義国家が「移動の自由」を制限することは簡単ではない。コロナ禍で、自国民へ海外に渡航しないよう勧告したり、外国人の入国を厳しく制限したりした国は数あれど、「国民・永住者出国不可、永住者以外の外国人入国不可」の原則を維持し続けている国は、オーストラリア以外に見当たらない。

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