「福祉」の看板を捨てろ!菓子屋で子どもの成長を支える 奈良県生駒市「まほうのだがしやチロル堂」🍭

困っている子どもの居場所から
あらゆる子どもたちが集まりたくなる場所

 「地域おこし」は何も地場産業の振興や雇用の確保、観光客誘致だけではない。地元の社会課題を解決し、コミュニティーを元気にするのも重要なテーマだ。日本にとって最大の課題は少子化だ。かつて「少子高齢化」と言えば、過疎地での悩みだった。が、1975年に合計特殊出生率が2を下回ってから半世紀近くを経て、都市部を含む全国で問題化。同時に所得格差拡大に伴う貧困や孤立など、子どもたちを取り巻く環境は厳しくなる一方だ。

 そうした子ども支援の地域おこしで注目されている取り組みが、奈良県生駒市で始まっている。そう、子どもたちを支援する活動は、未来に向けた重要な地域おこしだ。

 生駒市は奈良県の北西部に位置する人口約11万8000人のベッドタウン。奈良県は県外への通勤人口比率が2020年10月時点で埼玉県、千葉県に次いで全国でも3番目に高いが、中でも生駒市が51.5%と県内で最も高い。

 昼間人口が少ない生駒市では、子どもたちが気楽に集まることができる「場所」が必要となる。その「場所づくり」に立ち上がったのが、大阪市で美術系クリエイティブスクールを運営する吉田田タカシだった。

ここから先は

3,563字
この記事のみ ¥ 200