沖縄が求める日米安保の「パラダイム転換」

総裁選論戦の不毛

 100代目首相が岸田文雄氏に決まった。事実上の首相を選ぶ自民党総裁選は久々に地方党員が投票するフルスペックの選挙となり、メディアはそれなりに盛り上がった。4人の候補者は口々に「パラダイムの転換」「思い切った改革」を訴えたが、いざ具体策となると、従来通りコロナ対策、経済政策、外交・安保、社会保障、憲法を並列的に語るだけ。テレビやネットの討論番組でもほぼ同様だった。

 蔓延防止か経済かで議論になったコロナ禍が端的に示すように、現代の課題はそれぞれのテーマが地下茎で深く繋がっている。「パラダイムの転換」とは、これまでのように個別テーマを検討するのではなく、政策の壁を取り払って、社会全体の在り方を俯瞰的に考えるということなのだろう。

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