ブラック・スワン「解任決議」に怯える習近平 始まった江沢民・曽慶紅との最終戦争

ブラック・スワンとはズバリ「謀反」
未だに失脚に追い込めない江沢民・曽慶紅

 「2021年は我が国にとって、第14次5カ年計画の初年度であり、中国共産党成立100周年に当たる節目の年である。だが、複雑で錯綜する国際情勢の影響で様々な問題が生じる可能性がある。我々は特に“ブラック・スワン”や“灰色の犀(さい)”を警戒しなければならない」。

 習近平(総書記)は2021年1月29日に開かれた政治局集団学習会での講話で、幹部党員に対してこのように謎めいた、そして危機感に満ちた警告を発した。この講話は新華社が全文を公表しているが、“ブラック・スワン”や“灰色の犀”が具体的に何を意味しているかは説明していない。

 しかし、習近平は2020年秋以降、党内の会議で何回か“ブラック・スワン”と“灰色の犀”に言及しており、幹部たちはそれが何を意味しているかを知っている。

 通常は“ブラック・スワン”は、反乱、クーデター、大規模な自然災害・事故など「発生すると重大な事態に陥るが予測が困難な異常な事件」、“灰色の犀”は金融危機のように「現在は水面下にあり軽視されているが、発生すれば重大な事態になる危機」を指すとされる。

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