17年衆院選敗退で「沈没の危機」の維新 大阪都構想と成長戦略で再浮上に賭ける 起死回生の「逆転ホームラン」万博誘致成功

🔸渡辺喜美が「小池さんのところへ行く」と宣言
    維新と希望の党は総選挙で「すみ分け」

 2016年7月の参院選は維新の党の分党で、発足したおおさか維新の会(16年8月に党名を日本維新の会に変更)にとって最初の大型選挙だった。同時に橋下徹(元大阪府知事・大阪市長)の政界引退による初の「橋下抜き国政選挙」となったが、何とか議席増を果たした。

 維新は計7議席(選挙区3、比例代表選挙4)を獲得した。比例代表では、元みんなの党代表の渡辺喜美(元行政改革担当相)が片山虎之助(現日本維新の会共同代表)に次いで維新の第2位で当選した。渡辺が維新公認で参院選に出馬した理由を説明した。

 「おおさか維新はマクロ経済政策で旧みんなの党とほぼ同じ主張を展開していて、それが有力な判断基準となった。もともと11年の統一地方選挙のとき、橋下さんから『一緒に選挙を』と申し入れがあり、『大阪維新の会公認・みんなの党推薦』という形でやった。その後、維新が国政政党になるときにみんなの党のコンテンツを提供した。そういう経緯があり、維新との関わりは深かった」

 渡辺は8億円借り入れ問題などが響いて14年の衆院選で落選したが、国会復帰を最優先に考え、維新に身を寄せて参院選で議席を回復する。党副代表に就いた。

 ところ、翌17年の東京都議選で維新と対立した。原因は東京都知事の小池百合子(元防衛相)の新党結成だった。小池は17年1月23日、国政進出を視野に都民ファーストの会を旗揚げした。渡辺は都議選で都民ファースト候補の支援を表明する。6月22日に維新に離党届を提出した。

ここから先は

5,035字
この記事のみ ¥ 200