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【特集②】何が日本経済を破綻させたのか グランドデザインを描けるトップリーダーが必要だ

日本経済社会の劣化の波

 1900年頃から、世界経済はミルトン・フリードマンの唱えた「新自由主義」の下、「経済のグローバル化」に走った。

 グローバル市場の中で、企業はコストを徹底的に削りに削り、世界で最も安い商品を提供する激烈な競争をする「底辺への死闘」が始まった。企業はコストを下げるためにスケールメリットを追い、企業規模の巨大化に爆進することになる。利益なき繁忙=誰も儲からなくなる産業行動である。アメリカはこれで経済を衰退させ「世界の覇権の座」を降りることになった。ある人はこのアメリカ経済の没落で「資本主義経済社会は終わった」と言った。が、「道」を誤っただけである。

 日本も、アメリカに唆されて、グローバル化に走った。日本はコストを引き下げるために「非正規社員制度」を作り、労働者の賃金を引き下げていった。そして強い力を持っていた「日本産業構造」、「日本的経営」を壊してしまった。

 そしてアメリカと日本は資金と技術を中国に入れて「世界の工場」づくりに手を貸した。やがて中国は、そこで作られた安い商品で世界市場を席巻し、アメリカ、日本の製造業を追い詰めている。

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