変異する業態、規制緩和の逆風も ウエルシアとツルハの経営統合はあるのか マツキヨココカラは王座をつかめるのか

勢力拡大するドラッグストア
その裏では激しいM&Aが続いている

 いまや、中には生鮮食品まで取り扱い、スーパーやコンビニを凌駕する勢いのドラッグストア。一方で、互いを食い合うM&A(合併・買収)が激しい業界でもある。そんな中で、「日本一のドラッグストアに」と約束し合った男が2人いる。ドラッグストア最大手のウエルシアホールディングスの創業者である故鈴木孝之とイオン岡田元也会長だ。

 今から遡ること7年前の2014年、鈴木が入院する病院に見舞いに駆け付けた資本提携関係にあった岡田(当時社長)は、鈴木からこの遺言を受け取った。岡田は「分かりました」と深く頷いたという。

 以来、イオンの後押しもありウエルシアは相次ぐM&Aに突き進み、21年2月期の売上高は9541億円に達する見込みだ。約束通りドラッグストア業界売上高1位の座を獲得する見込みだ。兆円企業に今にも届きそうだ。

 現在、ウエルシアはイオンの子会社となっているが、イオン連結営業利益の約17%をウエルシアが稼ぎ出すまさに孝行息子だ。「イオンはウエルシアという、いい買い物をした」というライバル他社からやっかむ声がいまでも聞かれる。

 岡田の父であるイオンの岡田卓也名誉会長は「キツネやタヌキが出る場所にショッピングセンター(SC)を作れ」と号令をかけ、SCを全国に張り巡らせたのは有名な話だが、次に照準を定めたのがドラッグストア事業だった。「SCの次はドラッグストアの時代が来る」と喝破し、2000年代に入るや中小企業のレベルの域を出なかったドラッグストアチェーンに提携攻勢をかけた。

 ウエルシアや業界2位のツルハ、スギ薬局(06年に提携解消)、さらに少額出資ながらクスリのアオキHDなど、今ではすっかり大手となり、知名度もグンと上がっているドラッグストアチェーンを次々に傘下に収めている。

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