職人に鍛えられた品質と価格を縦横無尽に ユニクロさえ脅かす“みんな”のワークマン👕

🔸「俺たちのワークマン」の変身!

 「行こうみんなでワークマン!」とコマーシャルで職人たちに歌いかけていたワークマンの、変身急だ。作業服専門からアウトドアウェアやスポーツウェア、さらに女性ファッションにも展開。業績も大きく伸ばしている。

 ワークマンは、群馬県伊勢崎市で食品や生活用品を販売していた「いせや」の作業服コーナーが独立。1980年に1号店を開店し、「作業服及び作業用品の専門小売業」として会社が設立されたのは1982年。バブル期の旺盛な建設需要を背景に作業服の売上げを伸ばし、1997年には株式を店頭登録した。今日では、作業服の専門店チェーンを全国展開している国内唯一の企業として、全都道府県に出店している。

 ワークマンのモットーは、「より良いものをより安く」である。もともと作業服には高い機能(例えば、激しい動作をしても破れにくい、濡れても大丈夫など)が不可欠だったが、これを標準化し、さらに低価格を追求した。そして、建設技能労働者人口が減っていく中で、2016年頃からアウトドアウェアやスポーツウェアの分野に注力していった。この分野においても「プロが認める機能」と「同機能他社ブランド品の1 / 2から1 / 3の価格」を目標に、独自のプライベート・ブランド(PB)商品の開発・販売に力を入れ、ワークマンにしかない商品を作っていった。インフルエンサーの積極的な活用などもあり、PB売上比率は2014年の11%から2021年には60%まで高まっている。PBは主に中国の提携メーカーが製造し、日本に輸入される。

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