【官界】霞が関の主要官庁人事から見る今後の動向 非主流誕生、反省の色なし、狂った路線

財務省次官にあの一言居士

 長引く新型コロナウイルス対応で疲労感が漂う霞が関。夏休み明けからの本格再稼働を前に、主要官庁人事をおさらいしておこう。

 まずは財務省。太田充事務次官(1983年入省)の退任に伴って、矢野康治主計局長(85年)が昇格。中堅時代から上司にも臆せず正論をぶつける「青年将校」として知られ、財務省キャリアでは超少数派の一橋大卒であることや、非主流の主税畑を歩むなど、次官としては異色の経歴の持ち主。同期のライバルである可部哲生氏を国税庁長官に追いやって昨夏に主計局長に就いた時点で予想されていたとはいえ、同省OBからは「まさか彼が次官になる日が来るとは……」と感慨とも呆れともつかない声が漏れる。新型コロナ対策の大盤振る舞いで緩み切った財政規律をどう立て直すか、「一言居士」の真価が問われる。

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