地元高専と組んで半世紀ぶりに地酒を復活北海道函館市・函館五稜乃蔵の挑戦

新たな産業の担い手「高専」
地元企業と消滅した地元酒蔵を復活

 これまでは比較的地味な存在だった「高専」が、新たな産業の担い手として注目されている。大学と高校の中間的な存在で専門教育と地元密着型の研究を両立した高専が、新たな地域おこしの「核」として活躍する事例も増えてきた。北海道函館市では高専と地元企業がコラボを組んで、消滅した地元酒蔵を復活するプロジェクトが立ち上がっている。

 高等専門学校(高専)は後期中等教育段階を含む5年制の高等教育機関であり、「深く専門の学芸を教授し職業に必要な能力を育成することを目的」に設立された日本の学校だ。卒業すると短大卒と同じ「準学士」の学歴を得られる。さらに2年制の「専攻科」を卒業すれば4年制大学と同じ「学士号」を取得できる。最近では東京大学や京都大学といった有名大学の後期課程に編入したり大学院に進学したりする卒業生も多く、「エリートコース」の入口としても注目されている。

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