核は「権威の象徴」 北は絶対手放さない 米バイデン政権は この国にどう対峙する

核は権威の象徴、首都平壌にも
非核化合意ができる頃には準備万端も

 金正恩総書記とトランプ前米国大統領との首脳会談は何だったのだろうか。首脳同士の対話が続く限り寧辺の核施設は再稼働させないと約束していた。確かにバイデン新大統領は約束した相手ではないからか。むしろ、北朝鮮は核開発続行をあからさまに見せている。米国の北分析サイト「38ノース」は、「3月に入り、2年ぶりに寧辺の火力発電所から蒸気と見られる煙が頻繁にたちのぼるようになった、核兵器製造に必要なプルトニウム抽出のために、使用済み核燃料の再処理への準備が再開された公算が大きい」と分析する。

 また、米国が従来、秘密施設としてマークしてきた「竜徳洞核施設」と仮称する平安北道亀城市にあるエリアでも変化があるという。米東アジア非核センターによると、「長い間地表に見られた2つの大きなトンネル口が、短期間のうちに大型の建造物によって覆われ、付近にも複数の建造物が出現した」という。亀城市には、そのエリアの近隣の地下に、ウラン濃縮工場が存在するとの情報がある。そのトンネル口では大型コンテナや各種車両が出入りを繰り返しているという。

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