途上国でテロに狙われる中国人 強まる「一帯一路」への反感

一帯一路はわが国を植民地にするものだ
狙いは天然資源であり、繁栄ではない

 7月14日の早朝、パキスタン北西部のカイバル・パクトゥンクワ州の峡谷で、ダム建設現場に向かっていた大型バスで大爆発が起きた。バスには中国人技術者30数人とパキスタン人の兵士・護衛10人あまりが乗っていたが、中国人を含め13人が死亡した。

 このバスが向かっていた建設中のダス・ダムは、中国の「一帯一路」による重要プロジェクトの1つで、中国が資金と技術要員を提供して建設が進められていた。この大爆発は、イスラム過激派が爆弾を仕掛けたためと現地では囁かれている。

 この大爆発から2週間後の7月28日、パキスタン南部の大都市・カラチでは、中国人技師2名が乗っていた乗用車が、オートバイに乗った2人組に銃撃され、中国人1人が負傷している。狙われた中国人は、プラスチック工場に中国製設備を設置するために現地に来ていた者であった。

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