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『OA時代からDX時代へ』「山あり谷あり」を地で行った複写機のリコー 複合機の会社から脱することはできるのか

生涯68年間に200社を超える会社を立上げ
市村清をリアルに知る人は少なくなった

 コロナ禍の落ち着きとともに、急速に戻ってきたインバウンド(訪日外客)でごったがえす東京・銀座。円安で“安いニッポン”を謳歌する欧米や東南アジアからのツーリストがランドマークとする四丁目の交差点といえば、昭和の時代より、北から時計回りに和光、三越、日産自動車そして三愛の4者が変わらぬ顔ぶれを占めている。このうちガラス張りの円筒形のビルが印象的な「三愛ドリームセンター」は、近年、リコー三愛グループのショールーム兼広告塔としての役割を果たしてきた。

 当ビルが建てられたのは、戦後初の東京オリンピックを翌年に控えた1963年のこと。2003年には東京・虎の門の「霞が関ビル」などとともに、日本を代表する近代建築の1つに選ばれた。ただ、さすがに築60年が経過し、老朽化やバリアフリーに未対応といった問題が見過ごせなくなったことから、土地とビルの所有者であるリコーは、今年3月より建て替えに乗り出した。現在の特徴的な外観デザインは維持しつつ、環境にも配慮した新たなグループのシンボルを27年に竣工する予定だ。

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