経済回復を背景に世界は金融緩和出口戦略へ 失敗したコロナ対策が響き取り残された日本🗾

新興諸国は利上げ、先進国はテーパリング

 主要国の中央銀行は、新型コロナウイルスによる急速な景気悪化に対応して緊急金融緩和政策を実行してきたが、この出口戦略に進む動きをみせている。変異種の感染増で景気回復の足取りは鈍化しているものの、回復の足取りには変化がなく、物価を押し上げているためだ。量的緩和の手直しに先立って、新興国では利上げに動く国が相次いでいる。

 8月は主要国の金融政策決定会合が開催されなかったが、新興国のチェコ、ブラジル、メキシコ、ハンガリー、韓国などでは、政策金利の引き上げを決定した。韓国は資源価格の高騰で貿易収支が急速に改善し今年初めての利上げ、ブラジルは物価も高騰しており今年4回目の利上げ、ハンガリーは3カ月連続しての利上げ、チェコ、メキシコは6月に続いて2回目の利上げだ。利上げと同時に債券購入額の減額も決定している。

ここから先は

2,236字
この記事のみ ¥ 200