女性の社会進出と男性の家庭進出は表裏一体 意識変化は起きたが、追いつかない現実

「イクメン」なんて言葉は嫌い
でも低水準の男性の育休取得率、家庭貢献度

 今は辞書にも載っている「イクメン」が世に登場したのは2010年、新語・流行語大賞のトップテンに選ばれた時だ。タレントで4人の子の父、つるの剛士さんが育児休業を取り受賞者になった。この年の男性の育休取得率はわずか2.1%で、つるのさんは眩しく見えた。

 そんな夫、父親の理想像に見えた「イクメン」という言葉なのだが、朝日新聞が19年10月に行った調査によると、実に回答者の75%の男女が「嫌い」「どちらかといえば嫌い」と答えている。男性からは「家庭に対する義務感」を嫌う声もあったが、「男性だけを特別視している。(男性が)家事も育児もやって当たり前」という声が男女から出た。確かに、この「イクメン」に込められた性差別を世の中のアンテナは、10年余りで敏感に感じ取るようになった。男女の意識変化が人気低落の理由だろう。

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