【だから日本は舐められる】27回の安倍・プーチン首脳会談は何だった?プーチンの戦争の前に何と脆弱な日本の外交

制裁を検討している相手に経済協力?
外相経験4年、姿が見えてこない岸田外交

 ロシアによるウクライナ軍事侵攻は、冷戦後の国際秩序を破壊させると共に、日本外交の脆弱さを浮かび上がらせた。2014年のロシアのクリミア半島併合時に、北方領土を巡る日ロ協議を優先し、欧米に比べて腰の引けた対応に終始した日本。ウクライナの原発施設まで攻撃対象にする今回のプーチン大統領の暴挙には、毅然とした対応を取り、欧米と足並みを揃え、強い経済制裁に踏み切った。

 ただ、安倍晋三元首相がプーチン大統領と27回もの首脳会談を重ね、「蜜月関係」を誇示してきたにもかかわらず、この危機を回避、停戦に向けた環境づくりへ外交的な術を持ち合わせていないことを晒し出した。

 ロシアと良好な関係を築く中国とは、首脳間の対話も途切れたままで、ロシアに翻意を促す働き掛けもできない。岸田文雄首相らが対中包囲網として成果を誇ってきた日本、米国、オーストラリア、インドの4カ国の枠組み「クアッド」も、国連総会でのロシア非難決議にインドが棄権。自民党内からは米国の核兵器を日本国内に配備する「核共有」論まで飛び出す。安倍政権時代に外相を4年余り務めた首相だが、岸田外交の姿が見えない。

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