支持率下落は当たり前
自民党議員が染まった統一色

　岸田政権の支持下落が止まらない。安倍晋三元首相の銃撃・殺害事件を契機に、一気に表面化した世界平和統一家庭連合（旧統一教会）と自民党のつながりが止まることを知らないからだ。次から次に発覚する教団側との「闇」に、遅ればせながら「関係を断つ」と宣言した首相も自民党執行部も、なす術がないように映る。国民の不信は積み上がり、内閣支持率がついに不支持率と逆転する事態に追い込まれた。

　この問題に限らない。法的根拠なき安倍元首相の国葬や新型コロナウイルス対応、物価高騰対策でも、甘い情勢認識と世論の見誤り、それに伴う後手、小出し、二転三転の政策展開、方針表明が目立ち、決断力や指導力の欠けたトップリーダーの実像が浮かび上がる。

　国会論戦から逃げ回り、国民の心に響くようなメッセージも発信できないままだ。政局の潮目は明らかに変わった。

　「今、率直に申し上げて、政治に対する国民の皆様の信頼が揺らいでいると深刻に受け止めている。改めて、総裁選出馬を決意した昨年の原点に立ち戻り、私が先頭に立ち、政治への信頼回復に取り組まなければならない。信頼と共感の政治に向け、決意を新たにしている」。