第15 回 「愛の不時着」

現実にはありそうもない事件の連続
これが現代ドラマというものなのだろう

 「愛の不時着」という韓流ドラマが人気らしい。テレビでは一昨年12月から昨年2月まで韓国のケーブルテレビtvNで16回にわたり放映され(各話70分~110分)、初回は6 %程度だった視聴率が回を追うごとに増え、最終回では20%を超える大ヒット番組になった。日本では昨年2月にネットフリックスが配信を開始したが、視聴ランキング「今日のトップ10」の常連になっているという。

 韓国財閥の令嬢ユン・セリは気ままに人生を謳歌する美貌の独身女性。自らの事業で成功を収めた彼女は、父の推挙でグループ総帥の後継者になることも決まり順風満帆。ただ、彼女を妬み、その座を狙う家族も多い。セリは我が儘だが人を見る確かな目を持っている。ある日、彼女の乗ったパラグライダーが突然の竜巻にあおられ、こともあろうに北朝鮮非武装地帯の森の中に不時着する。軍事境界線で北と南、真っ二つに割かれた朝鮮半島で、北の森に不時着したセリは無事韓国に帰還できるのか。全編、現実にはありそうもない事件のオンパレードだが、これが現代ドラマというものなのだろう。劇画に近いフィクションを重ねながらドラマは展開する。「恋愛」にフォーカスして登場人物を紹介すると・・。

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