もっと炭素を、もっともっと石炭を! “救世主”ファイザーの自信と苛立ち 濡れ手に粟!、ネットで磨く韓流エンタメ

習近平の誤算
20倍になったLNG価格

 スコットランドのグラスゴーで開かれたCOP26。大揉めに揉め、議長国の英国は合意文書を3度も書き直さねばならなかった。が、現在、世界中の首脳たちが真に語るべき言葉は「脱炭素」ではない。「もっと炭素を、もっと石炭を、もっと天然ガスを」である。

 世界経済は怒濤のようなエネルギー価格の高騰に打ちのめされている。豪州のニューカッスル炭は1t202ドル。2019年より3倍高い。世界の工場=中国は10年来経験したことのない電力不足に陥り、工場のラインが止まり、一部の都市では交通信号が消えた。

 中国は世界最大の石炭消費国だ。誤算は、「脱炭素」競争でいい顔をしたい習近平主席が「石炭の生産削減」を指示したこと。もう1つ、豪州政府が新型コロナの発生源として「武漢を再調査すべき」と主張したことに腹を立て、豪州炭の輸入を禁止したことだ。

 中国の輸入業者は南米やアフリカの産地に殺到した。ところが、石炭生産量は2019年比5 %ダウン。絵に描いたような売り手市場が出現した。フィリピンの炭鉱会社は嬉しい悲鳴だ。「4回も値上げした。こんなこと、思いもよらなかった」(ウォルストリートジャーナル=WSJ紙10月6日付)。

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