オリンピックをまともにボイコットする力は もはやアメリカにはない

そもそも「外交的」ボイコットって何

 オリンピックのボイコットというと、日本人であれば、恐らく誰もが、ソ連のアフガン侵攻への反発で西側諸国が連れ立って行った1980年のモスクワ大会不参加と、それに、涙ながらに抗議する山下泰裕、瀬古利彦といった名選手の姿を思い出すに違いありません。競技一筋に努力を続けてきた選手たちにとって、国際政治というスポーツ以外の理由で、活躍の場を奪われると言うことは悲劇以外の何者でもありません。そして2022年は冬季オリンピック・イヤー。何事もなければ2月4日から20日までの日程で、中国・北京で開催予定ですが、このところ何事かが起きそうな雰囲気が満ちています。

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