達成感なき日本産農産物輸出1兆円 半分は輸入原材料が源の加工食品

1兆円と1000億円のギャップ
「木を見て森を見ない」自民党農政

 「農産物輸出1兆円遂に達成、2030年には5兆円に」。2021年12月、大手メディアの紙面や画面では、こうした活字が躍った。「高品質の日本産農水産物が世界の消費者の間で、大人気の証し」とも喧伝された。しかし、当初計画からは8年遅れの達成だ。

 その上、そのほぼ半分を占めるのは、輸入原材料が源の加工食品であることはあまり知られていない。日本農業を支えるべき肝腎な農産物は1000億円余りにすぎない。歴代政府の全面的市場開放による安価な輸入産品の大量流入で、正に存亡の危機に立たされる日本の農水産業再生への寄与率は、極めて低い。

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