第21回 わが青春のマリアンヌ

青春と恋愛を描いて魅力に溢れる
幽霊屋敷で出会った美女との恋

 ジュリアン・デュビビエ監督の「わが青春のマリアンヌ」が日本で公開されたのは昭和25年、私は当時17歳で青春の真っただ中にいた。父は新潟大学の教授だったが、新潟市の興行クラブの顧問も勤め、家族は無料で映画を観ることが出来た。私も父もデュビビエ映画のファンだった。戦後の一時期、フランス映画は多くのファンを抱えていた。映画を観終わった父はわが意を得たりと満足そうだった。だが、この映画に限ると父と私の評価は違っていた。当時父ほど私はこの映画に感情移入できなかった。しかし、今見直してみると、この映画は青春と恋愛を描いて魅力に溢れている。

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