政治リーダー“失敗の研究”第2回 岸田とよく似た状況で政権を握った元首相 「何もしなかった」が致命傷となった森喜朗

政治リーダー“失敗の研究”第2回 岸田とよく似た状況で政権を握った元首相 「何もしなかった」が致命傷となった森喜朗

月刊誌「ニューリーダー」 公式Note

超早期の総選挙を岸田に勧めたのは麻生か
小渕後継の森も議員任期満了まで半年

 10月4日、岸田文雄首相が誕生した。所属国会議員数が自民党内で第5位の派閥の長だが、9月29日の総裁選では、最大派閥の事実上のトップの安倍晋三元首相、第2派閥を率いる麻生太郎現副総裁(元首相)、麻生派幹部の甘利明現幹事長の「3A」の支援で勝利し、政権を握った。

 「10月21日に衆議院議員の任期が満了する。可能な限り早い時期に総選挙を行うことを決意した。所信表明演説と代表質問を行った後、今国会の会期末の14日に衆議院を解散し、19日に公示、31日に総選挙を実施する」

 岸田は4日の夜、就任の記者会見で明言した。総選挙の期日では11月7日説、14日説も有力だったが、岸田は最短案を選択した。

 衆議院議員の任期満了超えの総選挙は現憲法下で初めて、新首相の就任から27日後、解散から17日後の総選挙は、いずれも戦後最短である。新首相への期待感と模様眺め気分による「就任ご祝儀相場」の高支持率が続いている間に総選挙を行えば、野党側の攻勢を封じることができる、と計算したのだろう。

 安倍は新政権の「キングメーカー」と称された。一方、新体制の人事に大きな影響力を行使した麻生は「政権の黒幕」といわれた。その麻生が「超早期の総選挙」を岸田に強く勧めたのかもしれない。2008年9月に首相となった麻生は、1年後に衆議院議員任期満了という状況で、就任直後の解散・総選挙を決断しながら、リーマンショック(アメリカの投資銀行のリーマン・ブラザーズの経営破綻を契機とする世界的金融危機)の影響で撤回を強いられた。その結果、09年8月の総選挙で大敗を喫して退陣、自民党の野党転落、民主党政権誕生を招いた苦い体験があるからだ。

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自民党総裁選で岸田文雄氏が「新自由主義」からの脱却を訴えた時には、期待か持てるかと思ったのに、いざ首相になって、衆院選に突入すると、総裁選…

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