「食料輸入大国」日本を襲う価格高騰 今こそ食料安全保障に真摯に取り組むべきだ

不作の穀物にプーチン戦争が追い打ち
円安も加速し、食卓、生産者を直撃

 「食料輸入大国」日本の農産物・食料品の輸入価格が高騰している。今年1~2月の農産物輸入額は約1兆2000億円で、前年同月に比べ33%も上がった。特にカナダなどの天候不順の影響を受けた小麦やトウモロコシなど穀物類は同53%という大幅な上昇となった。こうした中で2月24日、穀物輸出大国であるロシアとウクライナの戦争が勃発。長期化の様相を呈しており、世界的な食糧危機のリスクが高まりつつある。加えて日米の金利差などを背景にした円安の急速な進行が、農産物・食料品だけでなく、飼肥料や燃油、農業諸資材などの輸入価格の高騰に拍車をかけている。

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