【産業】菅首相退陣で頭を抱える M&A仲介業界の意気消沈

デービッド・アトキンソン論に乗る

 突然、菅義偉首相が自民党総裁選への不出馬を表明し、1年余りで政権の座を明け渡すことになったことに、とりわけ驚愕し、落ち着かないのがM&A(企業の合併・買収)仲介専門業者だ。首相は就任前から経済政策の目玉として中小企業のM&Aを推進すると明言していた。首相の経済ブレーンで、政府の成長戦略会議メンバーでもあるデービッド・アトキンソン小西美術工藝社社長が主張する「中小企業再編論」の影響を強く受けている。

 「国内産業の国際競争力が低下している最大の理由は、中小企業の生産性の低さにある。競争力を向上するには、再編して経営規模を拡大しなくてはならない」というものだ。

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