日本がタイで築いた自動車生産拠点 東南アジア最大の牙城が崩れる予感

SAICモーターCPとGWMが日本車猛追

 80年代後半に日本の製造業が円高問題回避とコストダウンを求めて投資ラッシュしたタイ。特に自動車産業は東南アジア最大の牙城を構築した。しかし、近年では中国の存在感が、それこそ巨大化している。中国が国策で進める「一帯一路」に関連した高速鉄道建設など、中国のタイ投資ラッシュが止まらない。それでも、長年に渡り日本企業が圧倒的存在感を高めてきたタイの自動車産業に限っては中国企業に脅かされる日は来ないはずだと考えてきた。

 しかし、中国の大手メーカーがタイに続々進出。筆者のタイ人の友人も、長年愛用した日本車をMGに乗り替えるなど、サービス面を含む信頼度も急速に高めている。

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