輸出は自動車関連が牽引 抑制と反動繰り返す消費、ワクチンが鍵

 新型コロナウイルスの変異型の急拡大から、全国的に感染者が急増、4月25日には3回目の緊急事態宣言が発せられた。その後、5月の大型連休を挟んで、3月の経済指標の発表が相次いだが、緊迫感はなく、逆に経済活動の回復を示唆するものが多く見られた。

 それを代表するのが鉱工業生産指数だ。3月の季節調整済み指数は、生産指数が97.7だった。前月比2.2%の上昇で、20年2月の98.7以来の水準をほぼ回復した。20年2~5月に98.7から77.2に大幅な落ち込みとなったが、6月以降は20年12月、21年2月に小幅の下降となった以外は回復基調にある。2月に発生
した福島県沖地震の影響による生産減からの回復、半導体不足の緩和等によるものだが、基本的には外需が牽引した。経産省は持ち直しの動きにあるとの基調判断を踏襲した。

 生産計画は4月が前月比8.4%の上昇、5月は4.3%の低下だったが、5月は大型の連休が影響する。4月の計画には上方バイアスが含まれており、過去の傾向に基づいて補正すると4.6%程度の上昇になると経産省ではみている。5月は4月の実績次第で変わってくる。4月計画が下振れすれば、5月計画は上振れする可能性もある。新型コロナウイルスの感染拡大は下振れ要因だ。

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