【産業】長引くコロナ禍で 「日の丸ワクチン」にもチャンスが

🔹どんどん引き延ばされる接種計画で…

 新型コロナウイルス感染症ワクチンの開発で完全に後れを取った日本の創薬・製薬会社に光明が差してきたという。既に米ファイザーや米モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン、英アストラゼネカなどの先発組が量産を開始し、「日の丸ワクチン」開発はもはや無用の長物との見方が広がっていた。

 ところが「予想外」の事態が起こる。日本政府の調達交渉のまずさから、先発組のワクチン輸入が遅れに遅れ、昨年は「2021年6月末までに全国民にワクチン接種を完了し、東京五輪を迎える」はずだったが、スケジュールは先延ばしとなり現時点では「7月末までに65歳以上の高齢者への接種を完了する」と自治体に発破をかけている状況だ。こうした事態を受けて、承認を早めてでも国産ワクチンの供給を実現しようとの機運が高まっている。安定調達のメドもつくからだ。

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