【ワイド版】脱炭素やウクライナ戦争を横目に産油国の王者サウジアラムコ健在なり

■圧倒的な存在感

 あらためて産油国の動向に注目が集まっている。ウクライナ侵攻を続けるロシアへの米欧の経済制裁の有効性が、主要産油国の原油生産量と価格動向にかかっているからだ。中東の産油国の中心はサウジアラビア、そしてサウジの石油事業を担っているのが国営のサウジ・アラビアン・オイル・カンパニー(サウジアラムコ)である。

 アラムコの2021年12月期の売上は1兆5018億リヤル(約42.8兆円)、税引後利益は3952億リヤル(約11.3兆円)に上る。世界企業の中で、売上は第6位、税引後利益ではトップに立つ(フォーチュン500集計)。世界最大企業の1つだ。

 さらに、2019年に株式を上場した後は、その巨大な株式時価総額が注目を集めている。米アップルとのトップ争いが続いており、今年に限っても、両社は交代でトップの座についており、10月にはアラムコがトップに立った。その時価総額は7兆9000億リヤル(約305兆円、10月7日現在)に達している。

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